告知

告知4:
隆祥館さんでのトークライブが近づいてきました。
本書の執筆動機を「おわりにかえて」の中で書いております。
その中から一部を抜粋したものが下記です。

「戦争体験と経営者」というテーマは、知人のジャーナリストとの雑談から生まれた。私が取材で偶然聞いた戦争体験の話をしたとき、強い興味を持ったようだった。

 彼曰く、
「戦争体験者が加齢とともに次々と亡くなられています。日本とアメリカが戦争をしたことを知らない若い世代が普通にいます。戦争を知らない政治家や経営者などが『戦争も辞さず』みたいな勇ましい発言を繰り返ている現在、戦争が私たち国民にいったい何をもたらしたのか、戦争の悲惨さを知らしめる必要があるのではないでしょうか。そんな状況だからこそ、戦争体験者から直接聞いた話を、いま出来るだけ多くの人に伝えることは大切なのではないでしょうか」

 まさに正論だとは思ったものの、なかなかその気になれなかった。
 というのも、やれ「反戦だ」、やれ「平和だ」といったイデオロギー的なものが何よりも苦手だったからだ。イデオロギーに染まると、得てして視野が狭くなり、物事の本質が見えにくくなる。プロパガンダならともかく「作品」としては成立しないのではと思えて仕方がなかった。

 ところが、世の中がきな臭くなってくると、そうも言っていられなくなる。
 国会で共謀罪や司法取引を認める刑法改正など問題法案が次々と、与党の強引な手法で成立していく様を見せつけられるつれ、やはり自分でも出来ることは何でもしなければと思い直すようになったのだ。