鹿砦社代表、松岡氏のFBより

私たちがこの2年間支援してきた「カウンター大学院生M君リンチ事件」ですが、去る3月19日の一審大阪地裁判決に対してM君は大阪高裁に控訴しました。これについて被害者のM君が昨日、これまでの「総括」、反省、そして控訴審への決意表明をツイッターで行いましたので、以下再録いたします。再録にあたってはFB用に並べ替え一つの文章にしました。勝訴の部分があるとはいえ不満の残る判決ですので、控訴し完全勝訴に向け闘いたいと思います。こんな判決を残していては、この国の社会にあっても社会運動や市民運動にあっても悪影響を及ぼします。心ある皆様方の圧倒的なご支援をお願い申し上げます。(松岡)


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控訴にあたり、私なりにここまでの総括を述べさせていただきます。スポーツの試合等でもそうですが、「総括」とは「ここまで何ができたのか」を簡潔に整理することであると考えます。

まず、原審判決ですが、前向きに評価すべき点は、伊藤大介氏の民事賠償責任を認めた点です。カウンターのスポンサーであり、内部で強い影響力を持つ伊藤氏がたとえ直接に手を出していなくても暴行傷害への関与(判決では「幇助」)があったと考えるのは自然なことです。
また、伊藤大介氏、松本英一氏 @QuamzinANTIFA の反訴も全面的に棄却されています。

一方原審は、被告らの共謀が認められなかったこと、特にその場を支配し暴力の口火を切った李信恵氏 @rinda0818 の民事賠償責任を認めなかった点で不当極まる判決と考えています。
原審は李信恵氏 @rinda0818 が私に掴みかかったことまでは認定していながら、これが人体への有形力の行使であるにもかかわらずその違法性を排除しています。

なお、のりこえねっと @norikoenet 、野間易通氏 @nomacrac 、同氏が代表者の団体C.R.A.C @cracjp 以下、カウンター関係者多数は今回の判決をもって「リンチはなかったとの判決」という宣伝活動をしていますが、虚偽です。判決はそのような事実認定はしていません。

そして、裁判を離れて、もう少し大きい視点での総括を二、三述べさせていただきます。 判決期日の報告集会でも申し上げたことですが、ここまで「できたこと」として特筆すべきことは主として三点あります。

一点目は、伊藤健一郎氏 @itokenichiro 作成の「説明テンプレ」「声掛けリスト」に代表される、カウンター関係者ぐるみ、多数の著名人や団体、弁護士、大学教員、国会議員までもをも巻き込んだ本事件の隠蔽工作を打破したことです。

二点目は、上瀧浩子弁護士 @sanngatuusagino 、(特非)コリアNGOセンターをこの裁判に参加させ、旗色を鮮明にさせたことです。これらの人々は、関西のカウンターを始め、そして腐敗させたという点で黙って逃げることの許されない人々だからです
これらの人々が身近に起きた暴力に対してどのような態度を取ったのかは、将来にわたって記憶されるべきでありましょう。

三点目は、やや個人的なことになりますが、私が関わった「カウンター」そのものに対する反省の機会を得たことです。
今にして振り返れば、端的に言って「カウンター」「しばき隊」と自他称される、2013年からの「反差別運動」は、その最初からして間違いであったと私は考えています。その理由は、安直に暴力的手段(暴言や罵倒も含む)に訴えるべきではなかったという一点に尽きます。
当時は私もまた、このような暴力的手段を称揚してきました。人を罵倒もしました。これらの行状について、改めて深い反省の意を表し、私が傷つけた人々に対しお詫び申し上げるものであります。

彼らは言います。「正義は暴走してもいい」と。正義を意味するjusticeという語は、その語源は「正義」あるいは「法」を意味するラテン語ius(またはjus)です。このiusという語は「神(または皇帝や王)の権威による正義」「力による正義」を意味します。
だからこそiusという語には「法」という意味もあるのであり、現代においても強制力を伴う「司法手続」もまたjusticeなのです。
野間氏 @nomacrac らカウンター関係者が自らを「正義」と標榜するのは、自ら権威や力を持ち、好き放題に批判者、敵対者、要するに「自分たちが気に食わない人たち」を吊し上げたいという、極端に幼稚だが危険な、極めて反社会的な欲望の告白と見なされて当然でしょう。
それは、暴力への卑屈な憧憬であり、私的制裁の賛美に他なりません。これがのさばる社会は、そこにいる全員の不幸であり、社会の崩壊の序曲であると考えます。

改めまして、皆様のここまでのご支援に深く感謝いたします。今般の裁判は、実質的には一つの小さくない社会的勢力を相手にしているのであり、皆様の物心両面でのご支援なくしてここまで戦うことはできませんでした。
本事件については、思想がどうか、民族がどうかなどという事柄は問題ではありません。ご支援くださった方には「右」の方も「左」の方もおられますし、日本人のみならず在日韓人、朝鮮人やその他在日外国人の方も多数ご支援くださっています。

裁判は、必ずしも真実を反映しません。かつてジェローム・フランクが『裁かれる裁判所』において問題提起をした「弁舌さわやかな嘘つきと口下手な正直者を前にして、果たして裁判官は正しく事実認定をすることができるか?」という命題は、現代日本においてもなお残っているのだと思います。
私の経験した真実を、裁判官の事実認定に反映させられるよう、控訴審でも主張立証を尽くします。私は「正義」だの「差別」だの「マイノリティ」だのを盾にとって横暴の限りを尽くし、人権の蹂躙を賛美、称揚する勢力には、絶対に屈服しません。
弁護団、支援会一丸となり、皆様の良心と常識とともに戦います。引き続き、よろしくお願い申し上げます。

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M君と彼の裁判を支援する鹿砦社の活動を全面的に支持します。
そういう意味では、いわゆる「しばき隊リンチ事件」の真相の解明と、リンチ事件の隠蔽に手を貸してきた学者、弁護士、ジャーナリストなどのマスコミ関係者、そして反差別団体のいかがわしさも裁かれるべきだと思います。